この度,国内でフィンスイミングをはじめ水中スポーツを統括している組織「一般社団法人 日本水中スポーツ連盟」が,「公益財団法人 日本スポーツ協会(旧:日本体育協会)」の承認加盟団体として加盟したことが発表されました!
何やらおめでたいことのような気がするけど・・・それが一体どうしたの?
という方が大半かと思いますので,少々解説をしながら考えていきたいと思います!
トピックス
フィンスイミングが国体種目になる日がくる・・・?!
そもそも日本スポーツ協会(JSPO)とは国内のスポーツ振興の中核を担う組織であり,日本の各スポーツの中央競技団体(NF)※など121団体を統括する組織です.
主な事業内容としては,国体(国民体育大会)の主催が有名なところですが,他にも国内の各スポーツの指導者資格を各競技団体とともに統括・発効していたりと,国民が生涯にわたってスポーツに親しむ環境づくりと,豊かな社会の形成のための取り組みを行っています.
※中央競技団体:そのスポーツを国内で統括している日本〇〇連盟や日本〇〇協会などのこと
例)フィンスイミングを統括している「日本水中スポーツ連盟」,水泳を統括している「日本水泳連盟」など
『新たに準加盟団体(2団体)、承認団体(1団体)が加盟しました』
https://www.japan-sports.or.jp/news/tabid92.html?itemid=4360&fbclid=IwAR3HHU4BItucXB-6ed4nCAm69SzuspRn-5ZeTQPYREox9xAtVrJ4-XEsKB8
JSPO加盟でどんな未来が期待できるのか?
さて,そんな感じで,JSPOへ加盟できたということは,フィンスイミングをはじめ水中スポーツの日本での地位がレベルアップしたといってもいいかもしれません!
JSPOに加盟できたことによって今後期待できることを(勝手に)考えてみると・・・・
- 国体の種目に入ることができるかも・・・?!
- 客観的に認められた質の高い指導者資格ができるかも・・・?!
- 公共の施設を使いやすくなるかも・・・?!
- 体育の授業や学校のカリキュラムに関わることができるかも・・・?!
- JOC(日本オリンピック協会)への加盟へ近づいたかも・・・?!
- 連盟や選手に対して今よりも手厚いサポートや補助金がつくかも・・・?!
なんと!夢が盛りだくさんですね!!
この調子で国内のフィンスイミング業界が益々盛り上がっていくことを祈りながら,私たちもFin-Dとしてできることに尽力していきたいと思います!!
「承認団体」って?加盟団体としての資格喪失も?!
一方,JSPOに加盟できたものの,気になるポイントとして,今回の加盟区分「承認団体」とは何でしょうか?
JSPOの加盟団体には3つの区分があり,条件やハードルの高い区分から順番に「加盟団体」「準加盟団体」そして「承認団体」とわかれています.
これらはJSPOの「加盟団体規定」の中で各区分に関する規定が定められていますが,承認団体の項(第1章-第4条)には以下のように規定がされています.
(承認団体)
公益財団法人日本スポーツ協会 加盟団体規程(R3.06.18施行版) 第1章 総 則
第4条 承認団体は別表5に掲げる団体とする。
2.承認団体の加盟有効期間は、加盟後に迎える 5 度目の 3 月 31 日までとし、
それまでに準加盟団体とならなければ、承認団体としての資格を自動的に失
う。
<https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/somu/doc/kameidantaikitei_R3.6.18.pdf>
なんと・・・・加盟から5度目の3月31日までに準加盟団体とならなければ資格を失う!という規定になっているようです!
また,別表5に記載の通り,現在は承認団体として加盟しているのは水中スポーツ連盟だけなんですね.なお,同じタイミングで加盟が決まった「日本スポーツウエルネス吹矢協会」と「日本ボディビル・フィットネス連盟」は「準加盟団体」の区分で加盟となっています.
加盟はできたものの,ここからがスタートラインというやつでしょうか・・・
「準加盟団体」とは?これからの課題とミッション!
では,その「準加盟団体」になるためにはどうしたらいいの・・・?と思い,調べてみました.
「加盟団体規定」の中には詳細の記載がなかったので漁ってみると,「加盟申請審査要項」の中に以下の記載がありました.
(ちなみに「加盟団体」になるための条件はハードルが非常に高かったので,紹介は省きます…)
Ⅲ.準加盟団体(加盟団体規程第 3 条)
公益財団法人日本スポーツ協会 加盟申請審査要項(R1.07.01施行版)
各審査項目は、上記「Ⅰ.加盟競技団体(加盟団体規程第 2 条第 1 号)」の
内容に準じ、「3.組織機構の内容(整備状況、健全性)」に関しては以下の内
容に置き換えるものとする。
3.組織機構の内容(整備状況、健全性)
(1)加盟団体規程第 13 条に定める遵守すべき事項の履行状況。
(2)非営利法人として4年以上の活動実績を有すること。
(3)当該団体に加盟する都道府県組織の設置状況が以下の基準に基づいて
いること。なお、競技特性や地理的条件(地形や気候、人口の違い)等
を勘案することができるものとする。
1)12以上の関連都道府県組織の整備実績を有すること。
2)上記 1)の関連都道府県組織のうち、2以上の都道府県体育・スポー
ツ協会の加盟実績を有すること。
(4)施行日の前日において既に準加盟団体であるものについては、上記(3)
の適用を、施行日から令和 6 年 3 月 31 日まで猶予する。
<https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/somu/doc/kameishinsayokoR1.7.1.pdf>
何やらいくつか条件がありますが,この中で日本水中スポーツ連盟として課題・ポイントとなってくる部分は下線を引いた太字の箇所かと思います.
2021.08.01現在,日本水中スポーツ連盟のホームページ上に記載されている加盟団体のうち,JSPOの基準となる「都道府県名を冠している団体および支部」は全部で21団体あるようですので,(3)の1)はとりあえずクリアできているのではないでしょうか.
ただし,「整備実績」という言葉の解釈が曖昧で,ある程度の活動実績が必要である場合,このコロナ禍も相まって,少々心もとないようにも思えます.
そのため,引き続き全国でフィンスイミングができる環境を増やしていったり,全国で普及活動を行っていくような取り組みが私たちFin-Dが力添えできる,しなければならない使命なのかなと考えております!
また,(3)の2)はさらにハードルの高い条件であり,例えば水中スポーツ連盟の東京支部である「東京水中スポーツ連盟」であれば「東京都体育協会」の加盟を目指すことになります.
こちらこそ活動実績がない限り,各都道府県のスポーツ協会へ加盟することは困難ですので,いずれにせよ,全国様々なところで突発的ではなく,恒常的にフィンスイミングが親しまれ,愛されていく環境を作っていかなければなりません.
5度目の3月31日までは時間があるようであまりないのではないかなと思いますので,私たちもたくさんのフィンスイマーやフィン愛好家の皆さまをより一層盛り上げ,フィンの魅力を新たに感じてくれる人たちを増やし,ひとりでも多く,全国の人々へフィンを通して夢を届けられるよう精進していきたいと思います!
いかがでしたでしょうか?
今回は水中スポーツ連盟の日本スポーツ協会への加盟について深堀してみました.真面目で小難しい話になってしまいましたが,うまく伝わりましたか?
この調子でフィン界がさらに上昇気流にのれるよう,皆さんでフィンスイミングの魅力を発信しつつ,何よりも,とにかく私たちみんなで引き続きフィンを楽しんでいきましょう!