【海外情報】(結果解説!Day4)第28回フィンスイミングヨーロッパ選手権inハンガリー

 7月19日より、ハンガリー・ゲデレーにて第28回フィンスイミングヨーロッパ選手権が開催されています!この大会は、フィンスイミング競技では、世界選手権以上に長い歴史を持つシンボリックな大会。過去には多くの世界記録がここから誕生しており、今年最も注目の大会と言えるでしょう。

 フィンスイミングチャンネルでは、4日間に渡る熱戦の結果を速報で毎日お届けしていきます

大会最終日のドラマが幕開け!女子50m2度目のスイムオフ!

 大会最終日、女子50mアプニアでは3日目の50mサーフィスに続き、なんと大会2日連続の「スイムオフ」が行われました!

 予選を泳いだMalwenn(フランス)とJulia(ポーランド)は17秒19の同着8位となり、決勝進出を懸けた一騎打ちが行われました。これまでの3日間の疲労が重くのしかかる中で行われたレース。勝ったのは、予選から0.3秒タイムを伸ばし16秒89で泳いだMalwennでした。彼女は100mイマージョンでも今大会銀メダルの実績を持つ選手。イマージョンを得意とする選手として、アプニアの決勝は譲れないプライドを感じさせる結果となりました。

 決勝は、出場者8名のうち実に7名が予選で16秒台をマークするという、世界選手権に匹敵するハイレベルな争いに。この接戦を制したのは16秒49をマークしたViktoriia(ウクライナ)が金メダルを獲得!2位は16秒58のAnastasiia(ウクライナ)、3位は16秒68のGiulia(イタリア)でした。0.1秒刻みの接戦はウクライナ勢のワンツーフィニッシュとなりました。

ドイツのスーパースプリンターMaxが男子50mアプニアで圧倒的な強さを見せつける!

 男子50mアプニアでは、Max(ドイツ)が14秒40で優勝。今大会3つ目となる個人種目での金メダルを勝ち取った他、個人メダル獲得数を大会最多の4つへ。まさに、世界最強選手と呼ぶに相応しい活躍を今大会も見せてくれたと言えるでしょう。

 2位はGeorgios.P(ギリシャ)で14秒53、3位はGeorgios.K(ギリシャ)で14秒61。惜しくもMaxには届きませんでしたが、4位に14秒67、5位に14秒77と続く接戦を制して、ギリシャに2つのメダルをもたらしました。今年、ジュニア新記録となる14秒19を国内大会で記録したNiklas(ドイツ)は14秒86で6位という結果。持ち味である驚異的なテンポの泳ぎは、今大会では残念ながら不発に終わりました。

800mは中・長距離の男女エースが登場!ヨーロッパ記録の更新は・・・?

 800mサーフィスは、男女ともに記録更新がかかる今大会でも随一の注目レース。
 女子は6分49秒68のヨーロッパ記録保持者Johanna(ドイツ)
 男子は6分12秒74の世界記録保持者Nandor(ハンガリー)が出場。

 初めに行われた女子のレース。Johannnaは150mのターンで先頭に立つと、癖のないお手本のような泳ぎでそのまま独泳体制に。金メダル獲得は確実、あとは記録との勝負という中、順調にヨーロッパ記録ペースで泳ぎ続けます。
 レース後半、僅かに0.1秒、0.2秒と新記録ペースから遅れはじめたものの、700m-800mのラスト100mを47秒95で泳ぐ驚異的なスパートで追い上げを見せました!しかしながら、新記録にはわずか0.4秒届かず、6分50秒08でのフィニッシュとなりました。2位はAthanasia(ギリシャ)で7分2秒43、3位はSilvia(イタリア)で7分6秒24となり、結果としてはJohannaの圧勝となりました。

 続いて行われた男子のレース。女子は記録に惜しくも届かない結果であっただけに、地元ハンガリー出身のNandorこそはと、観客の応援にも力が入ります。
 会場の後押しを背にスタートしたNandor。序盤は、実力者である今大会2冠中のAlex(ハンガリー)、今大会3つのメダルを獲得しているOleksii(ウクライナ)、今回1500m銅メダリストのDerin(トルコ)らとともに横並びでペースを刻みます。
 レース中盤、400mを過ぎたころから、Oleksii、Derinが遅れはじめ、レースはNandorとAlexの一騎打ちに。連日の疲労からか、スローペースな展開で記録更新への望みは薄くなってしまいましたが、ハンガリー勢の一騎打ちに会場は大いに盛り上がりました。
 両者は700mのターンを0.3秒差の5分32秒台で折り返すと、Nandorはここでようやくテンポを一気に上げてラストスパート。Alexはそれに反応する事ができず遅れはじめるも、Nandorもラストスパートをかけきれず最終的には6分17秒05で優勝。Alexが6分20秒60で2位となり、最後の100mで3秒以上の差が生まれる劇的な幕切れとなりました。
 一方、表彰台最後のひと枠となる3位争いは、Oleksiiが一度遅れたところからDerinを抜き返し、6分24秒37でその座を勝ち取りました。表彰式ではその嬉しさからか、はたまた4日間合計3,700mを泳ぎ切った達成感からか、ジャンプして表彰台に上がるという、3日目までには見せなかったチャーミングな一面をみることができ、真剣勝負に没頭しつつ、今大会を心から楽しむ様子を見せてくれました!ちなみにこの後さらに4×100mリレーにも出場し、彼のレース総距離は4日間合計3,800mとなりました・・・大変お疲れ様でした。

最終種目4×100mリレー - 地元ハンガリーの声援高まるなかウクライナが2メダル獲得!

 大会のフィナーレとなる4×100mリレー、これまで4日間の厳しい戦いの中で、皆が疲労を抱える中、それでも死力を尽くす選手たちの姿が印象的な、大会の最後に相応しいレースとなりました!

 女子のレースでは、今大会何度も表彰台に姿を見せたAnastasiiaやViktoriiaを擁するウクライナが2分41秒22で優勝!長距離選手ながら圧倒的な実力を持つJohannnaほか、厚い選手層を誇るドイツが2分44秒14で2位。100mサーフィスで金メダルを獲得したGiulia率いるイタリアが2分45秒52で3位という結果になりました。

第28回フィンスイミングヨーロッパ選手権!4*100SFR_女子
CMAS World Underwater Federation YouTubeより

 一方の男子は、MaxとJustusという100mサーフィスのスペシャリスト2名を擁するドイツが、終始先頭を泳ぐ盤石なレースで優勝!
 Anastasios、Georgios.P、Georgios.Kら実力のあるスプリンターを揃えるギリシャが喰らいつきますが、2分23秒13でドイツには届かず2位。また、先述のOleksiiを筆頭に今大会、チームとしての強い結束力が印象的なウクライナは、300mまではドイツに次ぐ2位で最終泳者に引き継ぎます。ギリシャ、そして地元ハンガリーのエース、Nandorの猛追を受け、ギリシャにはかわされてしまいましたが、ハンガリーには0.05秒逃げ切りを果たし、2分24秒61で3位となりました。

 ウクライナは最終種目のこのリレー出場国で唯一、男女でのメダル獲得国に。フィンスイミング発祥国とも呼ばれる古豪の健在な姿を世界に示す結果で、第28回ヨーロッパ選手権大会は幕を閉じました。

 大会閉幕とともに、フィンスイミングチャンネルでの毎日解説もこれにて終了となります。
 お楽しみいただけましたでしょうか?4日間お付き合い頂きありがとうございました!

 これをきっかけに、少しでも多くの人が、フィンスイミングを「観る」ことに興味を持っていただけたら幸いです。
 今後も、フィンスイミングの様々な情報を発信して参りますので、引き続きフィンスイミングチャンネルをよろしくお願い致します。また、リクエスト等あれば是非お気軽にご連絡ください!

【リザルト】

Day4 AM:Session 7

Day4 PM:Session 8

YouTubeレース動画

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第28回フィンスイミングヨーロッパ選手権YouTubeライブ配信CMAS_Finswimming_European_championship2023_YouTubeLive_session7
第28回フィンスイミングヨーロッパ選手権YouTubeライブ配信CMAS_Finswimming_European_championship2023_YouTubeLive_session8

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