【大会振り返り】第34回フィンスイミング日本選手権大会(2022.05)

 フィンスイミングの聖地ともいえる横浜国際プールでの日本選手権。実に3年ぶりの開催となりました。
 2022年5月3日〜5日の3日間、無事に開催され、選手に関係する人のみという条件付きではありましたが、有観客での開催となりました。

 参加されたフィンスイマーの皆さん、事前準備から当日の運営まで大会を支えてくださった連盟・役員・ボランティアの皆さま、大変お疲れ様でした!

 日本新記録が樹立されたり、世界選手権の代表選手が選考されたり、大変盛り上がりを見せた今大会を今回も振り返ってみたいと思います!

(プログラム表紙)2022フィンスイミング日本選手権(Fin-D-Inc.)
大会プログラム表紙
(会場写真)2022フィンスイミング日本選手権(Fin-D-Inc.)
会場は『横浜国際プール』

4年ぶりの3日間日程での開催

 2021年11月に開催された前回大会2日間日程でしたが、今大会はコロナ禍前の2018年大会ぶりに3日間日程での開催となりました。(2019年は長野でのアジア選手権開催による関係で2日間日程となっておりました。)

 3日間日程となると余裕のある競技スケジュールとなるため、選手はより計画性をもってレースに臨むことができるのではないでしょうか。
 その反面、予選・決勝レースを行う種目が増えるためトップ選手にとっては競技数が増え、よりタフさが求められるところですが、国際大会の良いシミュレーションにもなるでしょう

 2日間日程の際に予選・決勝レース実施となる種目は・・・

  • 50mサーフィス
  • 50mJビーフィン
  • 50mアプニア
  • 50mCMASビーフィン

以上の50m種目のみとなりますが、3日間日程となると・・・

  • 100mサーフィス
  • 100mCMASビーフィン

の2種目においても予選・決勝レースが採用され、決勝進出者は同種目を1日に2レース行うことになります。
 その他の種目についてはタイム決勝となり、同種目全出場者のレース終了後、タイム順に順位が決まるようになっています。

 なお、今大会は前大会に引き続き『イマージョン種目』は開催されませんでした。

※フィンスイミングの競技や種目については以下の日本水中スポーツ連盟のホームページをご参照ください

全国37チーム257名から約700種目のエントリー

 今大会は全国から250名を超える選手より約700種目のエントリーがありました。
 前回大会に引き続き、残念ながらコロナ禍で参加が叶わなかった選手も多数いた様子ではありますが、会場では多くのフィンスイマーがレースに臨む姿を見ることができました。

 選手にとって『大会』というものはやはり格別で、日頃の練習の成果を発揮する場であり、これからの目標を確認する場でもあると思います。仲間の活躍に歓喜し、感動し、お互いを讃えあう姿はスポーツの素晴らしさを再確認させてくれますよね!

 また、出場した選手が活躍をSNS等で報告することで、それを見た今回出場できなかった選手のモチベーションに火をつけることでしょう!
 さらに、その様子を見た人たちが『フィンスイミングを始めてみたい!』と、新しいフィンスイマーの誕生に繋がっていき、フィンスイミングがより盛り上がりをみせていくことでしょう!

 ※情報ご提供元:一般社団法人日本水中スポーツ連盟

150名以上のスタッフ・大会役員による多大なサポートに感謝!

 フィンスイミングに限らず、イベント開催には縁の下の力持ち『支えてくださる方々』のご協力が必要不可欠です。

 今大会も連盟スタッフや大会役員の方々による事前準備をはじめ、150名以上に及ぶ役員・スタッフの方々が大会を支えてくださっていました
 チームの代表として役員をされている方や、選手兼任で役員をされている方、中には『選手がレースに集中できるよう、大会を楽しめるようサポートしたい!』という気持ちから、役員のためだけに遠方から日帰りで飛行機や新幹線にて会場まで足を運んでくださっていた方もいらっしゃいました!

 毎回お伝えしている通り、現在のフィンスイミング界、競技者も決して多いわけではありませんが、支えてくださる方々の数もまだまだ少なく、大会役員やスタッフが不足していることも事実です。
 そのような中、コロナ禍にも関わらずこれだけ多くの方々がサポートをしてくださっているということは、本当にありがたく、それだけ選手たちの頑張る姿には魅力があるということですね!

 ○フィンスイミングに興味のある方!

 ○スポーツが好きな方!

 ○『フィンスイマーの頑張りを応援したい!』という方!

 ○『フィンスイミングの迫力を肌で感じたい!』という方!

 もちろん泳げなくても大丈夫です!!
 是非とも今後の大会やイベントでサポートしていただけたら幸いです!

 興味のある方はお問い合わせください!

新型コロナウイルス感染対策

 今大会も『新型コロナウイルス感染症対策』に留意した大会開催・運営が行われていました。

 前回大会やコロナ禍に行った各大会での課題の解決方法を取り入れつつ、コロナ禍では横浜国際プールでの大会開催は初めてとなるため、会場に適した導線づくりや感染対策が施されていました。

  • 待機場所(観覧席)からプール、プールから待機場所への導線は一方通行
  • 会場内では仕切りを設けて一方通行や密の回避を促進
  • 人の溜まりやすい場所への滞留禁止や侵入禁止を掲示等で呼びかけ
  • レース直前の招集場所を個室ではなくプールサイドに設置
  • 入場時の健康チェックシートの確認     等々・・・

 現在のところ、参加者による新型コロナウイルス感染等は報告されておりませんが、参加された方々は引き続き健康管理に細心の注意を払い、万が一体調を崩された場合は主催者:一般社団法人日本水中スポーツ連盟へ速やかに報告をするようにしましょう。

4つの日本新記録・1つのユース新記録・8つの大会新記録

 レースではたくさんの新記録が樹立され、日本新記録が4つユース新記録1つ大会新記録8つが誕生しました!
 やはり日本選手権は選手たちがより力を入れてレースに向けて準備をして臨むため、こういった素晴らしい記録の誕生に立ち会えるところも魅力のひとつですね!
 新記録樹立おめでとうございます!

今大会で樹立された新記録一覧

◆日本新記録

【女子1500m Jビーフィン】
 岩渕 立歩 選手(八王子FSC) 記録:16分19秒28

【女子100mサーフィス】
 髙津 奈々 選手(青山学院大学) 記録: 41秒54

【男子50mサーフィス】
 上野 浩暉 選手(NAIA-FST) 記録: 15秒47

【男子200mCMASビーフィン】
 岩井 康佑 選手(NLS) 記録: 1分37秒35

 ※各記録ともに大会新記録

◆ユース新記録

【女子400mCMASビーフィン】
 小倉 麻央 選手(Pinniper) 記録:4分03秒63

大会新記録

【男子200mJビーフィン】
 小野 祐太 選手(つーびーと。) 記録: 1分45秒06

【男子1500m Jビーフィン】
 鬼頭 秀明 選手(早稲田大学)  記録:15分24秒16

【男子50mアプニア】
 上野 浩暉 選手(NAIA-FST) 記録:14秒71

【男子4×100mサーフィスリレー】
 NLS(阿部 尋斗 選手・萩原 良照 選手・高橋 和真 選手・渡部 力 選手) 記録:2分34秒84

【女子50mアプニア】
 森 琴音 選手(NAIA-FST) 記録:16秒71 ※大会タイ記録

※参照:公式リザルト東洋電子システム
https://tdsystem.co.jp/ProList.php?Y=2022&M=05&G=96&GL=0&S=1&Lap=1&Cls=999&L=2&RG=1&Page=ProList.php&P=0&L=1

大会総合成績:男女総合はNLSが初優勝!

 閉会式では大会の振り返りとともに、3日間全競技の順位結果からポイントが計算された団体の『男女総合成績』『男子総合成績』『女子総合成績』が発表されました。

 ポイントの計算方法は、各種目1位~8位になった選手が所属するチームにポイントが加算され、1位が9.0点、2位が7.0点、3位が6.0点、4位が5.0点・・・8位が1.0点となっており、リレー種目も同じように計算がされます。
 (ただし、混合リレーの結果は性別の総合成績へは1/2点で計算がされます)

 また、国内限定種目である『Jビーフィン』の結果は先述の各総合成績には含まれず、『ビーフィンの部男女総合成績』として結果が計算されます。

◆男女総合成績

 優勝:NLS(167.0点)※初優勝

 第2位:早稲田大学(149.0点)

 第3位:ATHRA(99.0点)

◆男子総合成績

 優勝:NLS(105.0点)※初優勝

 第2位:ATHRA(89.5点)

 第3位:早稲田大学(81.0点)

◆女子総合成績

 優勝:AQUA FinD(79.5点)※初優勝

 第2位:早稲田大学(68.0点)

 第3位:God Phoenix(65.0点)

◆ビーフィンの部男女総合成績

 優勝:早稲田大学(52.0点)※2連覇

 第2位:神奈中SS(40.0点)

 第3位:日本体育大学(29.0点)
     つーびーと。(29.0点)

大会最優秀選手は女子:髙津奈々選手・男子:上野浩暉選手

 さらに、閉会式では今大会に最も貢献した男女各1名の最優秀選手賞(=MVP)が表彰されました!

 なお最優秀選手賞は、長年にわたり国内のフィンスイミング発展にご尽力くださり、2020年新型コロナウイルス感染症により逝去された一般社団法人日本水中スポーツ連盟前会長:羽田雄一郎氏とその功績を称え『羽田雄一郎杯』と制定されています。

第34回フィンスイミング日本選手権大会プログラム(P10)より抜粋

<女子最優秀選手賞>
髙津奈々選手(青山学院大学)

 今大会では日本新記録を樹立した100mサーフィスを含む個人種目3つで金メダルを獲得!!!

<男子最優秀選手賞>
上野浩暉選手(NAIA-FST)

 今大会では日本新記録を樹立した50mサーフィスを含む個人種目3つで金メダルを獲得!!!
また、上野選手は今年7月にアメリカにて開催される第2のオリンピック『ワールドゲームズ』の代表選手としても選考されており、益々期待が高まります!

 両選手ともに非常に高いパフォーマンスを発揮され、会場中を魅了していました!
 その姿にはチーム関係なく、たくさんのフィンスイマーや役員・スタッフが感激したことでしょう!

 『羽田雄一郎杯』獲得おめでとうございます!

世界選手権日本代表権獲得選手 女子6名/男子7名発表!

閉会式では,世界選手権代表選手選考大会でもあった今大会中に『派遣標準記録』を突破して上位2位までに入った選手が発表されました。

<女子>

髙津 奈々 選手青山学院大学50mサーフィス100mサーフィス200mサーフィス4×100mリレー4×50m混合リレー
森 琴音 選手NAIA-FST50mアプニア
岩渕 立歩 選手八王子FSC200mビーフィン
松田 志保 選手God Phoenix4×100mリレー4×50m混合リレー
細澤 菫 選手AQUA FinD4×100mリレー
山階 早姫 選手God Phoenix4×100mリレー
2022フィンスイミング日本選手権<女子>派遣記録突破選手および種目一覧

<男子>

上野 浩暉 選手NAIA-FST50mサーフィス100mサーフィス50mアプニア4×100mリレー4×50m混合リレー
麻生 剛弘 選手Delfino50mビーフィン100mビーフィン
岩井 康佑 選手NLS100mビーフィン200mビーフィン
梶沼 照史 選手日清食品50mアプニア4×50m混合リレー
阿部 尋斗選手NLS100mサーフィス4×100mリレー
萩原 良照 選手NLS4×100mリレー
渡部 力 選手NLS4×100mリレー
2022フィンスイミング日本選手権<男子>派遣記録突破選手および種目一覧

 以上の選手を中心に,今後正式に世界選手権日本代表チームが確定することと思います。世界選手権は7月下旬にコロンビアカリで行われます!
コロナ等で不安な部分もありますが、日本の選手たちの活躍に期待が高まりますね!!
ぜひみんなで応援しましょう!


大変長くなりましたが,最後までお付き合いありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?
少しでも大会の雰囲気を味わってくださったり、新しい角度から大会を思い返してくださっていれば幸いです!


最後になりますが、改めまして、本大会に携わった皆さま、大変お疲れ様でした!
これからもフィンスイミングを盛り上げていきましょう!

それではまた!

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