2024年も残りわずか。いよいよ来年、2025年には4年に一度の祭典『The World Games 2025』成都大会が待っています!!
本日はそんな開催が待ち遠しい本大会の、出場予想選手やレースの展望を一挙ご紹介いたします!
トピックス
The World Games 2025 選考基準のおさらい
まずは選考基準のおさらいをしましょう。世界選手権大会など、国内での選考に基づき代表選手が選ばれる大会とは異なり、ワールドゲームズでは『世界共通の選考基準』がCMAS(世界水中連盟)により設けられ、国際大会の場で選考が行われます。
その選考基準とは以下の通り。
- 2024年内の世界選手権大会、ワールドカップの競技結果に基づいたランキングから選考を行う
- 出場選手は計100名(男子50名、女子50名を目安とする)
- リレー出場選手を優先して選出を行う(実質的に、男女各32名の選手がリレーで選考されることになる)
- 同じ国籍の選手は1種目2名まで
- 上記の基準に基づき、ワールドゲームズで実施される全ての種目で出場者が8名(リレー:8か国)となるよう選出する
- 実施種目は以下の通り
- 4×100m サーフィスリレー
- 4×50m サーフィスリレー
- 50m アプニア
- 100m サーフィス
- 200m サーフィス
- 400m サーフィス
- 50m ビーフィン
- 100m ビーフィン
選考の基となる、ワールドランキングはこちら。
その他、選考基準の詳細を知りたい方は、ぜひこちらの記事もご参照ください!
本記事の公開時点では、まだCMASより出場選手の発表はありません。出場選手がいつ発表されるかも未定となっています。
そこで、Finswimming Channnelでは、選考の基準となるワールドランキングを基に出場選手の予想を行いました!まずはその男子編、ぜひご覧ください。
出場選手大予想!! ~男子編~
リレー出場国および選手
4×100m・4×50mサーフィスリレー
選ばれし100名の出場選手のうち、まず優先されるのがリレーに出場する選手たちです。ワールドゲームズでは、4×100mと4×50m、2つのサーフィスリレーが実施されますが、これらの出場選手は同一とされています。そしてその選考は、4×100mのランキングに基づき行われます。『ランキング上位7か国+開催国(中国)』というのが、リレーの選考基準です。
さて、気になる出場選手は…
と予想されます!開催国の中国がワールドランキングの第8位。実質的に今年の上位8か国が出場を決めることが確実でしょう。出場ラインの2分26秒0は、1人あたり36秒5平均という記録。これは、ワールドゲームズ至上最もレベルの高い記録になります。来年のワールドゲームズは、まさに「世界最高峰の戦い」といえるでしょう!!
なお、このリレーに出場する32名は、個人種目においても優先して出場権を獲得できるとされています。続いては、個人種目の出場予想選手をみていきましょう。
モノフィン種目出場選手
まずは、モノフィン種目の出場選手たち。前述の基準に加えて、『各種目のランキング上位7名+1名』というのがモノフィン種目における選考基準となっております。この『+1名』の基準は明確にされておりませんが、ランキング8位の選手、あるいはリレーに出場するランキング下位選手などから、CMASによる総合的な判断のもと選出される選手と考えられます。
50mアプニア
ランキング7位のPARK Taeho選手は、上位に2名の韓国籍選手がいることから選外となり、ランキング8位のLOSSNER Niklas選手と9位のGUAN Hanzhi選手(ともにリレー出場あり)の繰り上げ出場と予想されます。
上位には13秒台を出せる実力を持った選手がズラリ。今年の世界選手権での初出場優勝が印象的なランキング1位のVOROBYEV Stepan選手。勝負所に強く、ワールドゲームズ前回覇者のZHANG Siqian選手。今年、100mイマージョンで史上初の30秒台という驚異の世界記録を樹立した、SHIN Myeongjun選手。100mサーフィス世界記録保持者、全てが圧倒的な超人POSHART Max選手。アプニア強豪国の韓国で一時代を築いたベテラン、LEE Dong Jin選手。
メダリスト全員が13秒台、13秒70の世界記録更新、そんな伝説的なレースも期待される注目の種目です。
100m サーフィス
ランキング8位のKWON Namho選手は既にリレーで選考済みの選手であるため、順当に選出されると予想されます。
世界記録保持者であるPOSHART選手の実力は言わずもがな。ですが、同じドイツ出身のMOERSTEDT Justus選手も伸び盛り。王座奪取も充分あり得る展開が予想されます。世代交代を象徴するレースとなるか、それとも、ベテラン選手が自身のキャリアにまた一つ、華を添えるレースとなるでしょうか。
両者以外にも、200mサーフィス世界記録保持者のOCAMPO LOZADA Juan Fernando選手、男子唯一となるジュニア区分からの出場選手、エジプトのHASSAN ELSAYED Tarek選手にも注目です。
200m サーフィス
ランキング8位のLATAL Filip選手はリレーでの出場がなく、惜しくも選外になると予想されます。代わって選出されるのが、すでにリレーで出場を勝ち取っている、ランキング10位のZAKHAROV Oleksii選手です。
注目はランキング1位タイの両者による対決です。100m、200mを主戦場とするMOERSTEDT選手が優勢かと思いきや、800mサーフィス世界記録保持者のKISS Nandor選手も、近年スピード強化を図っているとみられ、短距離でも好成績を残しています。レースの前半、MOERSTEDT選手につくことができれば、後半にKISS選手が競り勝つ展開も充分にあり得るでしょう。
そしてここでも登場するのが、POSHART選手とOCAMPO選手のベテラン2名。特にOCAMPO選手はこの種目の世界記録保持者です。次世代の対決を余所に、彼らが優勝をさらう展開があるかもしれません。
400m サーフィス
ランキング8位のYOON Youngjoong選手の選出が予想されます。根拠となるのが、ランキング7位以下でリレー出場を決めている選手の順位。最高でも17位のBUKOR Adam選手ですが、既にハンガリー国籍の選手が2名出場予定のため選外に。次点は19位のNIKOLAIDIS Evangelos Savvas選手で、7位の選手とはタイム差が大きく開いています。YOON選手はリレーの出場はありませんが、実績も充分で「世界最高峰のレース」にふさわしい選手ということで、CMASによる選出の可能性が高いと考えられます。
他の可能性としては、200mサーフィスで8位、さらには400mサーフィスでも14位のLATAL選手。LATAL選手は200mを基準に選出される可能性があり、その場合は400mの出場機会も得ることになると思われます。また、ビーフィン種目で選手の枠を多く使うことになる場合には、NIKOLAIDIS選手の出場になると考えられます。
この種目の世界記録保持者はランキング4位のZAKHAROV Oleksii選手。しかしながら、優勝は同1位のKISS 選手で揺るがないでしょう。それほどまでに圧倒的な実力を誇っています。一方で2位以下は混戦模様。実力的にはMOZSAR Istvan Alex選手が頭一つ抜けていますが、レース展開次第では、Lee Seong選手、ZAKHAROV選手らとメダル争いを繰り広げることが予想されます。自分のラップを黙々と刻むMOZSAR選手、前半に強いLee選手、ラストスパートに強いZAKHAROV選手。それぞれの持ち味が存分に発揮される大熱戦に期待しましょう。
ビーフィン種目出場選手
ビーフィン種目は、前述のモノフィン種目とはさらに異なる選考基準が設けられています。その基準とは、『① 50m、100mビーフィン、それぞれのランキング上位6名を選出する』『② それらの選手を、50m、100m両種目も出場選手が8名ずつとなるよう選出する』というもの。②の基準が非常に分かりづらいですが、単純に、ランキングの上位6名が選ばれるという理解で充分と思われます。
50mビーフィン
ランキング7位のHERVA Juho選手は後述の100mビーフィンでランキング6位、同じく10位のCSEPLO Kelen選手は、100mビーフィンで3位に位置しています。そのため100mにて選考され、50mにも出場すると予想されます。ちなみに、CSEPLO選手は4×100mサーフィスのリレーメンバー。第2泳者で36秒03で泳ぎ、ハンガリーのワールドゲームズ出場に貢献しています。
今年のワールドゲームズ選考シリーズで最も波乱であったのが、この男子ビーフィン2種目といえるでしょう。競泳のハンガリー代表、50mバタフライで短水路の前世界記録保持者であるSZABO Szebasztian選手がワールドカップの初戦にサプライズエントリー。50m、100mビーフィンでランキング1位を記録し、遂に最後までその牙城は崩されることがありませんでした。
ワールドゲームズでは、競泳出身のSZABO選手に挑む、フィンスイミング生え抜き選手たちという構図になると予想されます。50mではSHARYKIN Iurii選手がその筆頭。そして、世界選手権ではSHARYKIN選手に0.01秒及ばず、悔しさに怒りをあらわにした姿が印象的なORSI Marco選手(ORSI選手は元競泳イタリア代表)、そして、100mビーフィン世界記録の実績を持つKROPIDLOWSKI Szymon選手が続きます。KROPIDLOWSKI選手は、好調だった昨年には50mでも世界記録の更新間近と期待された選手。初めてとなるSZABO選手との直接対決は、フィンスイミング界の誰しもが期待と一抹の不安をもって注目するレースとなるでしょう。
100mビーフィン
100mでランキング7位のORSI選手は50mでは3位に、同23位のSHARYKIN選手は50mで2位に位置しています。そのため、100mにも出場できると思われますが、男子50名の出場枠調整次第では、SHARYKIN選手に代わって、8位以下の選手が選ばれる可能性もあります。その場合はSU Mingrui選手が選ばれる可能性が高いですが、50mと100mでどちらもランキング9位につけているARTAMONOV Artur選手の可能性も考えられます。
100mでもSZABO選手を中心とするレースが予想されます。挑むのは、この種目世界記録を持つKROPIDLOWSKI選手、そして200m、400mビーフィン世界記録保持者のFEDKIN Aleksei選手です。中でもKROPIDLOWSKI選手は、世界でただ一人40秒台の自己ベストを持っています。実績からいえば彼の優勝は間違いないですが、SZABO選手の実力は未知数。彼がフィンスイミングのトレーニングを積んで臨んだ場合には40秒台への突入も充分に考えられ、苛烈な優勝争いとなるでしょう。
また、この種目ではランキング5位に位置する、TRITHAN Pongpanod選手がタイ初となるフィンスイミングでのワールドゲームズ選手になることが予想されます。メダル争いに絡む実力も充分にあります。小柄な身体でも果敢に、ゴリゴリマッチョのヨーロッパ選手に挑む様は必見です!
The World Games 2025は、8月7日開幕!
各種目、世界選手権大会以上にレベルの高いレースになることが予想される『The World Games 2025』。本大会は、今日から約240日後、8月7日(木)に開幕します!
そして、フィンスイミング競技は、8月10日(日)・11日(月)の2日間に渡り実施予定です。現地、中国との時差はわずかに1時間。テレビ観戦、あるいは現地での生観戦!!楽しんでみてはいかがでしょうか。
そしてもちろん、「出場選手大予想 ~女子編~」も次回お届け予定。鋭意執筆中ですので、こちらもどうぞお待ちください!